加茂花菖蒲園花菖蒲データベース https://kamoltd.co.jp/katalog/index.htm
銀砂灘(青木家) ぎんさなだ GIN SA NADA
伊勢系 白地に青のかすりが僅かに入り、鉾は白で青糸覆輪となる三英花。花径は約12cm程度の中輪。
伊勢花菖蒲は、江戸時代後期に紀伊藩士の吉井定五郎氏により作り出されたが、その後も普及すること
なく、松阪の少数の人々によって細々と伝えられて来た系統である。青木清次郎氏はこの伊勢花菖蒲を
大正の11年頃譲り受け、農業の傍ら50余年間、伊勢花菖蒲の古花と新花を守ってきた。青木清次郎氏は
1972年に亡くなられたが、氏が守って来なければ伊勢花菖蒲は現代に伝わらなかった。この花は、その青木家
から、松阪の田中信一氏が譲り受けた花である。その田中氏も2001年にこの世を去っている。しかし花は、
守る人が、後を継いでくれる人がいればいつまでも咲く。
松阪の 名残とどめよ 花あやめ 青木 清次郎
たかが花だが、その花一輪の奥に、多くの花守の生きた証がある。
私は、極論すればこのような花は普及しなくても良いと思っている。ただ、保存しておられる方が、その大切さを
認識して、小人数で良いので後継者に確実に伝えていってくれれば、それが出来れば、それで良いと思っている。