白　妙　　　しろたえ　　　SHIRO TAE

肥後系　　　晩生　　　雪白六英の正花。花径はおよそ20ｃｍほどの大輪から極大輪。
草丈はおよそ60ｃｍ前後。性質、繁殖は普通。

加茂花菖蒲園園主、加茂元照氏の代表的な作花で、１９７５年のの作である。平尾先生の「白玉楼」の
実生で、「最新花菖蒲ハンドブック」には、白玉楼ほどの整いはないと記されているが、堂々とした良い花
である。葉が濃緑で、花との対比が良く、加茂氏はこの点に特に注意した。

氏は、花菖蒲とは勢いの花であると言う。端午の節句の祭りの花で、葉色濃く邪気を払う剣のような葉が、
この花にふさわしいと、常々話す。江戸系の「潮来の夢」が一番好きだと話すが、この品種も葉色が濃く剣葉
である。人気を博した「美吉野」も同様である。
また、写真を撮るにしても、花の勢いを撮らなければとよく話してくれた。鉾の垂れた「八ヶ岳」の写真を持って
いって、これはだめだと言われた経験もある。

手前味噌になるが、当園の社長の花は、格調高く豪快な肥後系の品種が多い。それはそのまま社長の
性格のように思われる。