江戸絞り えどしぼり EDO SHIBORI
江戸系 中生 白地に青味の紫絞りが入る平咲きの三英花。鉾は青みの紫。
花径はおよそ14ｃｍ程度の中輪。
２００２年、加茂花菖蒲園作
私は、ちょうど「猿 踊」のような、「間」の美しさを持った花が、いちばん見ていて気持ち良く感じる。
人を驚かすような豪華さがあるでもなく、気品高く創られたわけでもなく、別に何の変哲もないけれど、
どこか「遊び」が感じられる花。力むわけでも威すわけでもなく、型にはまるわけでもなく、どこか飄々
とした感じのする花。こんな品種は少ない。猿 踊をはじめ、「泉 川」とか、「五月晴」とか・・。
そんな気持ちで「赤蜻蛉」を創ったら、ある人が誉めてくれた。この画像の花も、そんなどこか飄々とした
気分が良くて、江戸っぽかったから選んだ。そうしたら、花友が、絞りの２色花はまだ無いので、それを
とてもめずらしいものだと話してくれた。私は、そのつもりで選んだのではないので、へーそうなんですか。
と逆に聞き返した。
品種を創ると、その人の癖が花に顕れる。良くも悪くも、その人の美的感覚の程度みたいなもがわかって
しまう。面白いものでもあり、おそろしいものでもある。